勉強会報告

【第三期】第2回勉強会 2018年6月21日【鈴木 隼人氏 ・ 井川 意高氏】

鈴木 隼人氏 ・ 井川 意高氏

第一講義「人口減少社会の産業政策」

鈴木 隼人自由民主党 衆議院議員 青年局学生部長 鈴木 隼人氏

第一講義では、自由民主党 衆議院議員 青年局学生部長の鈴木隼人氏から「人口減少社会の産業政策」について講義を行っていただいた。

鈴木氏は衆議院議員に立候補・当選するまでは経済産業省でヘルスケア産業に長く従事しており、再生医療法の導入や関連法規の緩和などに尽力されてきた経緯がある。そこで今回は、人口減少社会の産業政策に関する講義とあわせて、再生医療の最新動向についても言及していただいた。

2017年の日本の合計特殊出生率は1.43となっており、2年連続で出生数が100万人を割っている状態だ。
理論上は2.1以上の数字にならないと人口減少に向かっていくといわれている中、政府はまず希望出生率(子供を欲しいと考える夫婦の希望がすべて叶った場合の出生数率)である1.8を目指すべく、少子化対策を行っている。

しかし鈴木氏によると、

少子化対策が功を奏して2030年までになんとか出生率2.1を実現することができたとしても、人口減少が本当に落ち着くのは2090年になる

という。

つまり、近い将来で出生率2.1を実現できたとしても、そこから50年以上に渡って人口減少が続き、2090年の人口はたったの5000万人になるというのだ
言い換えれば、2030年前に出生率が2.1を達成できなければ、2090年の日本は5000万人よりももっと少ない人口になる。

このように、日本における人口減少がほぼ避けられない現実である中で、産業はどう変化していくか。
財政破綻や社会保障削減をできるだけ避けるためにも「経済成長」が重要な国家戦略となるのは確実だろう。

経済成長のためには

①生産性向上
②外需の取り込み
③働き手の確保
④日本の産業を成長産業へシフトさせる

などが考えられる。

今回、鈴木氏は、これらの中でもビジネスの成功のカギにもつながる「成長産業の見極め方」について、再生可能エネルギーや再生医療を事例にして詳しく解説をしてくださった。

特にこれからの日本は少子化とあわせて高齢化社会が進んでいく。
65歳以上の人口は30%弱となっているが、2060年にはこれが40%程度になると予想されている

しかし、政府が捻出できる社会保障費用にも限度がある中で、医療費をできるだけ抑えるためにも今後は「健康寿命の延伸」は重要な課題になってくる。

すでに政府は「治療から予防へ」という方針を打ち出しているが、同様にビジネスの現場でも、高齢者はもちろん成人の健康をサポートする事業がより注目されていくだろうと鈴木氏はお話になられた。
講義の質疑応答では、エステティック業界が再生医療を美容として取り入れる方法について、再生医療の今後の普及について、エステティック業界のイメージアップについてなど鈴木氏と参加者の間で積極的な意見交換が行われた。

第二講義「今思うこと」

井川 意高実業家 大王製紙株式会社 前会長 井川 意高氏

第二講義では、大王製紙株式会社の前会長、井川意高氏から「今思うこと」というタイトルで講義を行っていただいた。

井川氏は当勉強会の特別顧問である佐藤尊徳氏が長年に渡って交流を続けてきた方であるが、大王製紙株式会社の会長に就任していた2011年、海外のカジノで使用した巨額の借金を会社から個人的に借り入れたとして会社法違反(特別背任)の容疑で東京地検特捜部に逮捕され、2016年12月14日に仮釈放された過去がある。

井川 意高

今回は、現在開催中の国会で成立予定のIR整備推進法(カジノ解禁法)について独自の見解を述べていただくのとあわせ、ご自身の体験についてなど様々なお話をしていただいた。
普段なかなか知ることができない、東京拘置所(葛飾区小菅)や喜連川社会復帰促進センター(茨城県)での経験についてなどもざっくばらんにお話しをいただき、参加者も貴重な体験談に耳を傾けていた。

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