勉強会報告

【第三期】第1回勉強会 2018年2月27日【野田聖子氏 ・南部 靖之氏】

野田聖子氏 ・南部 靖之氏

2018年2月27日、三期目となるビューティ・ビジネス・コンプライアンス研究会の第一回勉強会(以下BBCA)が開催された。
今回は、冒頭で事務局の佐々木広行からBBCA発足の意義・目的について改めて以下のように述べた。

佐々木広行

「今回で三期目となるBBCAは、佐藤尊徳氏と衆議院議員野田聖子氏にご賛同いただき、美容業界のコンプライアンス等の関連法規や行政の最新情報の共有、さらに美容ビジネス関連の経営者・官僚・政治家の三者(官・民・政)間で情報および意見交換を行う場として設立されました。

勉強会には美容、エステティック業界をリードする方々がメンバーとして参加しており、年に4回の勉強会では経済界をリードする経営者や官僚、政治家を講師としてお招きし、経営のヒントとなるようなお話を毎回講演いただいております。

さらに三期目を開催するにあたって今回は、学ぶだけではなく『行動を起こすこと』を新たな目標として掲げており、旗振り役として新しく副幹事長にリズム株式会社奥村誠代表取締役社長が就任しています。

奥村誠
残念ながら現在、美容・エステティックに関連する法律や政治的規制はありません。そこで、ご賛同いただいている佐藤尊徳氏や野田聖子氏らと共にアクションを起こすことで、我々の活動が政界に届き、業界改変の一助となればと考えております。」

第一講義「いま私が思うこと」

自由民主党 衆議院議員 総務大臣 女性活躍担当大臣・内閣府特命担当大臣 野田 聖子氏

第一講義では、自由民主党 衆議院議員 総務大臣の野田聖子氏から「いま私が思うこと」と題して日本の現状や経済活動を活性化する具体策について講義を行って頂いた。

ここ最近の日本の景気は、アベノミクス効果を受けて好調といわれているが、実際に好調なのは株価が中心で、経済や個人消費の部分ではまだまだ改善の余地があるのが現状だ。

そんな中で野田氏は、低迷する日本経済を打破するためには「女性」と「地方」の活躍がポイントになると話す。

すでに女性の社会進出は一定の成果を上げているように見えるが、実態は人手不足解消のための臨時職員として雇用されていたり、低賃金・フリーランスなど生活が安定していない状態で働いている女性が多い。
これに対して野田氏は、日本は特に大企業を中心に、女性活用や雇用に対する発想を大きく転換する必要があること、また日本が世界と対等に戦うためには、本当の意味でのダイバーシティ(多様性)を理解し、女性、高齢者、障がい者といった多様な人材・考え方を採用して活用していくことがポイントであると説いた。

半分以上が女性経営者であるBBCAの勉強会メンバーにも触れ、「今までの少数派が新たな突破口を作るのでぜひ頑張ってほしい」と声をかけてくださった。

また地方の活性化においては、2040年前後には東京においても高齢化社会が広がる中で、これまで少数派と見なされていた地方が新しいアイデアの源泉になると講じた。

「人生100年時代構想」を安倍政権が掲げている中で、

美容・健康産業に従事している経営者が集まるBBCAの活動はとても有意義であり、男女とも100歳まで元気に活動できるような世の中にするために、新しい働き方の提案や仕組み作りなどを行ってほしい

と、参加者に対して熱いエールを送った。

第二講義「個人自立社会に向けて」

南部 靖之株式会社パソナグループ 代表取締役 グループ代表 南部 靖之氏

第二講義では、人材派遣、請負、教育・研修、HRコンサルティング等の人材ビジネスを幅広く手掛けている株式会社パソナグル―プの代表取締役・グループ代表の南部靖之氏から「個人自立社会に向けて」というタイトルで講義を行って頂いた。

南部氏は、グループ会社60社、従業員数8,500名以上という大企業のグループ代表でありながら、週末は本社を離れて兵庫県淡路島で農業や地元学生らと様々な事業を手掛けるという生活を13年以上続けている。
大企業のトップでありながらこのような生活を送っているのは、現状に満足せずに「これからも2つ目、3つ目のパソナグループを作っていきたい」という想いがあるからだ。

今でこそ一部上場の大企業であるパソナグループだが、その創業にあたっては、南部氏自身、学生時代に就職活動がうまくいかず、一般企業に就職できなかったことが起業の発端だったと南部氏はいう。

南部 靖之

当時お世話になっていた寺の住職さんや親身に相談に乗ってくれた父親からのアドバイス、また旅先で出会った掛け軸にあった「迷ったら進め」いう吉田松陰の言葉など様々な外的刺激を受ける中で、当時、自分以上に就職に困っていた女性の就職を応援する会社を作ろうと、大学卒業のタイミングで現在のパソナの元となる株式会社テンポラリーセンターを設立したと話す。

当時、日本には派遣という働き方は存在しておらず、法規制も何も存在しなかった中で南部氏が志のみで立ち上げた新しいサービスは、現在では業界全体で6兆円産業にまで成長、派遣サービスを提供する会社は1万とも2万ともいわれるビック産業へと成長を遂げている。

そんな同氏は今、

①グローバルな仲間
②健康寿命の延伸
③美術との触れ合い

をキーワードとして、淡路島から第二のパソナグループとなるような新しい事業を興したいと考えていると話す。

グローバル化・高齢化といった多様性を積極的に取り込み、定年後も楽しく仲間とストレスなく自分らしく過ごせるような環境を作ることで、何歳になっても影響力があるような生活を送ることができる事業を作りたいと語った。

質疑応答では、エステティック業界における働き方改革についてや、年齢を重ねても女性がいつまでも活躍できる職場作りについて、さらに障がい者雇用についてなど、人材教育のエキスパートである南部氏へ対して参加者から活気あふれる様々な質問が飛び交った。

 

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